コンピュータ将棋の強さについて
コンピューター将棋は、1970年代から人口知能の開発の一環としてすすめられ、1980年代にファミリーコンピューターの普及に伴い、ゲームソフトとしての開発・普及が進みました。
1990年からは世界コンピューター将棋選手権も開催されており、2012年大会では東京大学大学院総合文化研究科が開発した「GPS」が他を圧倒して優勝しました。
コンピューター将棋といえば、常に話題に上るのが「人間とコンピューターどちらが強いのか」でしょう。
初期のソフトではアマの棋士に勝つのもむつかしいとされていたコンピューター将棋ですが、90年代に入り、技術やハードの急速な進歩によりそのレベルも日進月歩に上がっていきました。
2005年にはコンピューター将棋がアマのトップレベルと同等になり、プロの一角を崩す日も近いと言われだしました。
2006年以降、コンピューターと人間の公開対局は平手で行われるようになりました。
コンピューターのレベルはどんどんあがり、2008年にプロ棋士に勝った経験のあるアマ名人2名がコンピューターに敗れるという対局結果に「コンピューターは奨励会三段の実力をもつ」との評価が一般的になりました。
2011年には将棋連盟の米長邦雄会長が自らコンピューター将棋選手権優勝ソフト「ボンクラーズ」との対局に臨み、敗れるという結果になりました。
2010年以降コンピューターと人間の対局ではコンピューターの勝率は9割を超えており
今では「既にプロ棋士を超えている」と言われています。
コンピューター将棋の強さは、1秒間に2億8千万手を読むことができる情報処理能力と乱局面においても感情面での動揺がない、
また長時間の対局でも集中力が切れないことからミスをする確率が低いため、人間の能力を上回っているということになります。
しかし入玉ケースの弱さ、序盤の弱さが指摘されておりこれからもコンピューターと人間の対局の勝負の行方は多くの人の関心の的ですが、人間にとって不利な条件が増えているのは間違いがないようです。